カテゴリー「詩歌・歌詞」の226件の記事

こ・わ・れ・る

こ・わ・れ・る

 

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Windows10のアップデートの後

急にパソコンが不調になった

認証までたどり着けず使用できない

しかたなく近所の詳しい友人に預ける

 
 
 

 

もう一つの7があるからと

軽い気持ちでいたが

翌日7の入ったパソコンも

USBを差し込んでも反応しなくなった
 

実は前からキーボードも

ノートパソコンの本体は壊れていたので

USBから別のキーボードを接続していたため

万事休す 印刷もスキャンも何一つできない
 

 

7月末が締切の同人誌の編集も

プリントの作成や編集も

例会案内の文書の作成や印刷も

ブログやフェイスブックの更新も

書きかけの小説の続きを書くことも

エッセイや詩の推敲も

パソコンが壊れただけで

すべてが完全にストップしている
 

 

と言って

すぐに新しいパソコンを買う余力もない

金を稼ぐ仕事以外のやらなければならないことは

とりあえず何一つ進められない
 

 
 

 

でも

もしかするとこれはチャンスか

とりあえず読めてなかった本を読み

見そこねていたDVDを見よう

壊れたパソコンがくれた

ゆったりとした時間を味わいながら

今夜は

少しだけ早く寝よう

 

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雨の通院

 雨の通院

 

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起きる前から続いていた雨の中

母をかかりつけの医者に連れていく

高齢な上に病を抱えているが

それなりに家の周りを動き回っていた

それがこの数日体調が悪い

 

点滴をするということで

一人車の中で終わるのを待つ

ワイパーの止まったフロントガラス

雨粒が落ちては広がり流れていく

道の向こうに見える鎮守の森は

雨に濡れて瑞々しさを増している

 

正午前にようやく点滴は終わり

車に乗せて自宅に連れ帰る

食前の薬が一つ食後が三つ

食べられないかと心配したが

お粥を食べて薬も飲んだようだ

 

昼食を終えて一人部屋に帰る

雨音はまだ

途切れることなく続いている

 

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くもり空

 くもり空

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夕暮れまでは晴れていた空は

すっかり雲に覆われて

月はもちろん

星の光も見えない

 

どんよりとした雲は

雨の予感を振りまきながら

静かに夜の町を見下ろす

穏やかな春の夜

 

温かな空気が

疲れたボクの心を包み

透明な眠りの世界へと

沈黙の声で誘ってくる

 

このまま

永久の眠りの中に

ひとり落ちていくことが

もしかしたら幸せなのか

 

そんな声の誘惑に

ボクは力なく首を横に振る

 

日々の暮らしは

年々夢を奪っていき

ただ惰性で生きている

そんな風に思える

 

けれど

ちょっとした誰かの微笑みに

希望の光が宿ることがある

それを信じて明日を生きたい

 

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ファンタジームーン

 ファンタジームーン

 

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庭先の畑に

桜が香り始めたころ

ボクはぼんやりと

夜空を見上げる

 

数か月前の

冷たく尖った空気は

いつの間にか消え去って

星のマタタキも

どこかしらやわらかい

 

こんな夜には

妖精や魔物が

人の目から隠れて

宴会をしているからね

 

小さい頃

おじいちゃんが

そんな話をしてくれたのを

ふと思いだす闇の中

 

今夜は

何となくそれを信じたい

 

西の空で霞んだ月がささやく

現実の狂気に踊っていないで

そろそろこちらにおいで

 

ボクはそっと

左の手首を見つめる

 

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足音

 足音

 

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温かな日差しの中

そよ風が頬をくすぐる

黄色の波が揺れる

菜の花畑が広がる

 

まだまだ寒いと

着こんでいた服を脱ぎ

金の鱗のきらめく

海面を眺める

 

堤防には釣り人がちらほら

さすがにモコモコの姿はない

日が翳ると少し寒いが

それでも

手袋やマフラーはいらない

 

やがては弥生月

桜の枝先にも

つぼみが見えている

多少花粉も気になるが

春の足音が近づいている

 

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いい湯だなぁ

 いい湯だなぁ

 

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一日の仕事を終えて

ひとり ぽかんと

湯船につかる

 

冬空の外仕事で

凍り付いた指先に

痺れるような感覚が

じんわりと広がる

 

手も足も

こんなに冷え切って

筋肉までも

凍り付いていた

お湯の温かさが

それを教えてくれる

 

じんわりとした感覚を

指先につないだまま

足の指を曲げ

足の指を反らす

痛気持ちいい感覚が

ふくらはぎや太ももを走る

 

向う脛の骨の外側や

硬くなったふくらはぎを

感覚の戻らない指で

強く抑えもみほぐす

少しずつ筋肉が

柔らかさを取り戻す

 

湯船に

熱いお湯を足しながら

静かに目を閉じる

若い頃には味わえなかった

何とも幸せな感覚

 

いい湯だなぁ

 

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境内

 境内

 

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聖域の庭に

火花が巻き上がる

白装束の男たちが

炎を守るように

周りを取り囲む

 

大晦日の境内は

地元の参拝者で賑わい

お神酒や甘酒などが振舞われ

子どもたちの声が響く

 

毎年恒例の大晦日参り

いつもはひっそりとした神社が

活気にあふれる時間帯

丸太を重ねた焚火は

勢い良く燃えている

 

冬の冷たい空気の上には

澄み渡った星空が広がる

色々なことがあり

慎ましい日々の中

つつがなく過ごした

この一年が終わる

 

賽銭を投げて柏手を打ち

この一年の無事を感謝し

次の一年の平安を願う

鮮やかな星の光の下

あと数時間もすれば

新しい年が始まる

 

 

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雨上がり

 雨あがり

 
 

一週間ほど続いた雨は

ようやくひとやすみ

小鳥の声が

庭先から聞こえてくる

 

お日さまを待っていた洗濯物は

庭のあちこちに広がって

ちょっと湿っぽい風に

ふんわりと揺れている

 

雨はそれほど嫌いじゃないけど

一週間も続けば十分かも

久しぶりの日差しに

少しだけ頬がほころびる

 

それでも

灰色の雲はあちこちにあふれ

雨のにおいを運んでくる

夕方はまた雨かもしれない

 

瞳を閉じて

湿気を含んだ空気に指先を伸ばすと

指の間からボクの心が零れる

 

壊れかけた部分が

秋風に溶けていけば

少しだけ楽になるかも知れない

 


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夜明けまで

 夜明けまで

 

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夜明け前の東の空に

オリオンがまたたく

九月の声を聞くと

こんな空に出会える

 

オリオンは

小学生の頃に知った

大好きな星座

その頃は冬にしか見られないと

思い込んでいた

 

夜更かしを覚えて

そうではないことを知ったのは

いつの頃だろう

今よりもずっと傷付きやすく

気まじめだった

 

もう WAKAI とは

言いにくくなった今

あの頃の純粋な気持ちは

どこか濁り淀んで

それを歳のせいにするボクがいる

 

でも

こうして九月のオリオンを見ると

ちょっとだけ

素直で優しい気持ちを思い出す

 

虫の声が聞える星明り

空が群青になる前に

そっと眠りに就こう

 

 

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雨上がり

 雨あがり

 

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降り続いた雨が

ちょっとひとやすみ

洗濯物の間を

風が吹き抜ける

 

松の木の横に置かれた

雑草をいれたバケツ

昨夜降った雨水で

細い葉が浮いている

 

ムラサキツユクサの

青い花びらが

じっとりとした空気の中で

風に揺れている

 

見上げれば太陽は隠れて

どんよりとした灰色の雲が

藤棚の向こうの西の空に集う

また雨が降るのかもしれない

 

ツユクサの花の下に生える

ミントの若葉を摘む

せめて車の中に

さわやかな香りを乗せたくて

 

茶色に染まった指先を

鼻に近付けてみる

爪の間から

ミントの香りが零れる

 

 

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