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赤い月の幻想歌

 

   赤い月の幻想歌

 

やわらかな 朧月夜の夢の中に

        一人ただよう あやかしの夜

 

セレーネのくすんだ光が満ちる宵

        魔の影に酔う あやしさのとき

 

あたたかな風が静かに通り行く

        首筋を這うぬるい感触

 

庭の石にかすかに残る雨のあと

        猫の鈴の音遠くに聞こゆ

 

みずみずし生気あふれる庭の木々

        今にも枝が動き出しそう

 

白い靄たちこめたる庭あたたかき

        理性はもはやはたらきもせず

 

しずかさや闇にしみいる月の声

        つちを離れてここまでおいで

 

今ならばまだ間にあうと赤い月

        手をさしのべて悪夢へ誘う

 

君からも 遠く離れて夢の空

        溶けていきたい自分が怖い

 

今ならばまだ間にあうと君の手が

        もはや僕にはあまりに遠く…

 

 

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コメント

「TAC」様
  赤い月の幻想歌は短歌の構成詩ですね。詩が詠めて、俳句に短歌と多能で感性の磨かれた方ですね。若い時から沢山本を親しみ、思索されて来たからでしょうか。
 みずみずし生気あふれる庭の木の
       今にも枝が動き出しそう
この短歌が若葉萌えの枝のエネルギーを感じます。本当に新芽の枝が動きそうです。
 いつも楽しく読まさせて頂き感謝を致します。

投稿: 宮崎 寛 | 2008年5月 2日 (金) 23時19分

生命力…というよりも妖気のイメージで作ってある短歌10首です(^_^;)。
連日お読みいただき、ありがとうございます。

投稿: TAC | 2008年5月 3日 (土) 10時42分

「今ならば まだ間にあうと 赤い月
 手をさしのべて 悪夢へ誘う」

「赤い月」の万葉歌を探していましたが見つからず、「短歌」で検索してこの秀歌にたどり着きました。

毎月初めに季節の歌を万葉集から引き、書にしてブログに載せています。
今日のスーパームーンから「赤い月」を書にしたいとは思いつつも自分では詠めず、「TAC」様の歌を拝借させていただけないかとお伺いいたします。
勝手なお願いをして申し訳ありません、もちろん詠者(拝借先)は記すつもりです。

お返事をどうぞよろしくお願いします。


投稿: 面影 | 2015年9月28日 (月) 23時37分

最近、コメントを確認しておらず、失礼しました。20代のころに作った作品ですが、詩と短歌を融合して作品を作ることにチャレンジしていた頃のものです。
 
中秋の名月は過ぎてしまいましたが、しゅってんさえ記していただければ、ご自由にお使いいただいてもらって問題ありません。
 
古い作品をお読みいただきありがとうございました。

投稿: TAC | 2015年11月 6日 (金) 21時48分

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